5人の王子とお姫様!
*
聖は、穏やかに微笑んでいた。
「やっと僕の番だね」
まるで、待ってましたと言わんばかりの表情だ。
「最後に天音ちゃんと踊れるかなと思って、楽しみにしてたよ」
照れるでもなく、至極穏やかに言えるのが聖らしいといえば聖らしい。
「天音ちゃん、疲れたよね」
「うん、少しだけ」
「今日は頑張ってたもんね。お疲れ様」
「……聖こそ、お疲れ様」
2人で微笑み合って、しばらく無言になる。
周りは賑やかなのに、不思議とこの空間だけ別の時間が流れているみたいだった。
「最近、笑うことが増えたね」
「……私?」
「うん。みんなのおかげかな」
「……聖のおかげでも、あるよ」
私が返すと、目を瞬いた聖が珍しく頬を赤らめて笑った。
「参ったな」
「……聖?」
「もう妹なんて呼べないな」
「?それってどういう…」
言いかけた私の言葉を遮るように音楽が止んだ。
フォークダンス終了だ。
名残惜しげな聖は一言。
「また、みんなで思い出を作ろうね」
未来のことを話してくれる聖に、疑問を忘れて私は大きく頷いた。


