秘密の恋~絶対に知られちゃいけない恋だったのに~
~及川華side~

あの日は何を血迷ったのか・・・

副業禁止の開明商事で働くわたしは、経理課の地味子を終えると夜の街キャバクラ『アモーレ』でメイに扮する。

副業禁止ゆえ、絶対バレてはならないから会社では黒ぶち眼鏡にマスクをして完全に表情を消している。

できるだけ目立たないよう、隅っこの方で生きている。


なのに、あの日突然アモーレにやってきた海外事業部の朝倉部長と若手エースの黒王子こと瀧佑介には度肝を抜かれたと言わざるをえない。

どうやらわたしが本職が忙しくて休んでいた先週の間に取引先の誰やらと訪れた朝倉部長がミカちゃんにはまってしまい、通い詰めようとしているらしい。

わたしは常にミカちゃんのヘルプにはいることになっていたし、仕方なく、その席のヘルプに入った。

会社きってのイケメンでホープの瀧佑介など、仕事以外で話す機会もなく、どうしたらよいかわからない。しかも声でバレたりしないかとドキドキだ。

女癖はかなり悪いらしく、一度寝た女とは二度と寝ないと管理部でももっぱらの噂だ。
女に対する扱いはかなり雑で、寝た女も忘れるくらい。特定の女とはつきあわず遊びまくっているらしい。

それでも社内の人気はダントツで、海外事業部2課の崎本拓海と女子社員の人気を二分している。

管理部の本田萌絵が瀧佑介を狙っているらしく、管理部での雑談にかなりの確率で登場している瀧佑介。わたしがその雑談に加わることはないが、耳に入ってくる。


そんな瀧佑介と何を話したらいいのか・・・。


今日は無理やり朝倉部長につき合わされたのか、気がすすまない感じでブスッとして座っている。

しかし全身から出る男の色気というかフェロモンはムンムンしており、女が一夜だけでも抱かれたいと思う気持ちがわかる。
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