触れられないけど、いいですか?
そこにいたのは、間違いなく霜月さんだ。

スーツを着ていて、普段は無造作な髪を今日はきちっとセットしている。

彼はリビングのソファに腰掛けており、テーブルを挟んだ向かい側のソファには父、そして霜月さんの隣には知らない男性が座っている。やはりスーツを着ていて、年齢は父と同じ位だ。


「さくら。ちょうど良かった。ちょっとここへ座りなさい」

父に導かれ、私は父の隣ーー霜月さんの正面へと腰をおろす。

私と目が合うと霜月さんは「良かった。帰ってきてくれて」と言ってニコッと笑う。


「どうして、霜月さんが私の家に?」

私のその問いには、彼の隣に座っている男性が口を開く。


「急にお伺いしてすみません。私は優斗の父親の、霜月 山斗(やまと)と申します」

「……霜月さんのお父さん?」

何で、親子揃ってここへやって来るんだ? 全く訳が分からない。


「さくらさん。初対面で不躾なのは承知の上で申し上げます。息子の優斗と結婚する気はありませんか?」



……は?
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