触れられないけど、いいですか?
「辛い?」

痛い。苦しい。でも……


「ううん……」


それ以上に幸せな気持ちになった。


幸せで、泣きそうになる。



私の手をギュッと握ってきた彼の右手は、とても熱い。


二人の呼吸が一層乱れて、息遣いも、汗も、どちらのものか分からなくなる。



「……あっ……」




この先も、翔君と一緒に生きていく。それはもう揺るがない決意。



だけど、自分達に出来る限りのことはしたい。


周りの人達が不幸にならない為に、自分達に出来ることをーー。
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