触れられないけど、いいですか?
翌日。
今日は土曜日で、世間は休日だ。
でもまだ朝早い為か、人通りは少なく、そんな中私は翔君と一緒に家に帰ってきた……けれど、玄関の戸を開けるのを躊躇してしてしまう。
「私、朝帰りなんて初めてだよ……お父さんに怒られるかな……」
「ちゃんと連絡はしてあったんだよね?」
「うん……でも何て言われるか分からなくて怖かったから、お母さんにメッセージ送ったんだよね」
「じゃあ大丈夫だよ。どちらかと言うと怒られるのは俺の方……」
「あっ、ごめん……」
言いながら苦笑する翔君を見て、私もやはり同じ様に苦笑いしながら謝る。
身も心も結ばれた後、正直〝駆け落ち〟という言葉が頭をよぎったことは否定しない。
でも、まだその時じゃないと思った。
まずは、自分達に出来ることをしたいと考えた。
それは、理解してもらおうと努力すること。
まずは、私の両親からだ。