俺の同僚曰く、世界平和はどんちゃん騒ぎと笑顔でできている「下」
ジャックが素早く懐から隠し持っていた大きなナイフを取り出す。警官が銃を構えようとした時には、もうジャックはリリーを人質にとっていた。

俺の胸に、緊張と焦りが走る。リリーは冷静な表情から一変、ナイフを突きつけられ怯えた顔を見せた。

「お嬢様!!」

ライナと貴族が叫ぶ。

「リリー!!」

対策本部のメンバーと次々に叫んだ。

「ジャック、リリーを放せ!彼女を傷つけたら許さない!!」

俺がジャックを睨みながらそう言うと、ジャックに囚われているリリーが、涙を目に浮かべながら俺を見つめた。必ず助けるとリリーに目で伝え、また俺はジャックを睨む。

「…ハハッ!『お嬢様』?『リリー』?おかしすぎて頭が腐ってくな。アンタも嘘が上手いねぇ。この状況でも誰にも正体がバレてない…」

ジャックがリリーを見下ろす。リリーはびくりと肩を震わせ、うつむいた。

「おい、リーバス。こいつの家族構成や名前は全部嘘なんだ!こいつはな、自分の身分を隠すために嘘を書いたんだ!!本当は一般人になるつもりだったんだろうが、残念ながら籠の中しか知らねえ。だから貴族と誤魔化すしかなかったんだよなあ?」

ジャックがリリーを再び覗き込む。リリーは消えてしまいそうな小さな声で「やめて……」と震えながら言った。
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