兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》
「サンタさんが持ってきてくれたんじゃないのか?」



「そんな訳ないじゃん……」



お兄ちゃんは笑って、また学習机の前に座った。



私は、お兄ちゃんの気持ちが嬉しかった。



だけど、もう昔みたいに仲がいい兄妹ではいられなくなってしまった。



私は、自分が犯した過ちを消してしまいたかった。



「お兄ちゃん、この前はごめんなさい」



「この前って……?」



お兄ちゃんは振り返らずに、問題集と向き合っていた。
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