兄の溺愛がマジでウザいんですけど……《完》
「次、何見たい?」



「確か……コアラもいたよね」



前に来た時のことを思い出して、なんとなくコアラに向かって歩き出す私。



「美衣は、ここ来たことあるの?」



「うん、小学生の時、家族と一緒に……」



「そうなんだ。美衣、その時のこと覚えてるの?」



「うん、お兄ちゃんと一緒に動物見てたんだけどさ、
お兄ちゃんとケンカして、私だけ、迷子になっちゃって……」



私は、お兄ちゃんとここに来た日のことを誠也に語りだした。
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