俺様御曹司は期間限定妻を甘やかす~お前は誰にも譲らない~
「真理子ちゃん、後はわたしひとりで大丈夫だから今日はもう帰ったら?」

「でも……いいんですか?」

「急ぎのものはないし。せっかくの合コンでしょ。誰かに仕事を頼まれないうちに、ね」

「はい、ありがとうございます!」


ぱあっと目を輝かせて真理子ちゃんが元気に頭を下げる。

そしてあっという間に身の回りを片付けた。


「お先に失礼します」

「お疲れ様。行ってらっしゃい」

「行ってきます。詠菜さん、もし仕事が残っていたら明日処理しますから、置いておいてくださいね」

「はいはい、気にしなくていいわよ」

律儀な後輩に、手を振る。


慌ただしく退出していく姿を見送って数十分後。

時計は六時半過ぎを示していた。


帰り支度を始めた頃、内線電話が鳴り響いた。

「はい、総務課久川(ひさかわ)です。お疲れ様です……え? ちょっと待ってください。確認します」

同僚が受話器を置いて慌ただしく課長に報告する。

その後、課長が電話を替わって応答していた。


「すみません。確認して届けます」

「どうかしたの?」

近くにいた久川さんに小声で尋ねる。

「私もよくわからないんだけど、どうやら書類の入れ違いがあったみたい」

「どこの課?」

「秘書課。全然違う申込用紙が手元に来てるらしいのよ」

「なんでそんな手違いが……」

「さあ? もしかしたら届け間違いがあったのかも」
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