俺様御曹司は期間限定妻を甘やかす~お前は誰にも譲らない~
「だから、なんでそんな約束をしたの?」

「落ち着けって、如月」

「藤堂くんはおかしいと思わないの? 一年の結婚期間ってなに? 馬鹿にしてるわ。その間、どんな気持ちで過ごしていると思ってるの?」

「仕方ないだろ。そうする以外なかったんだ」

「そんなの、ただの言い訳よ。あなたが好きだから、どんなにつらくて大変でも頑張ってるんじゃない」


……今、なんて?

好き?

藤堂副社長がなぜ同席しているの?

友人だから? 

もしかして如月さんの援護?


「その意見には俺も賛成だな。いい加減はっきりすべきだ」

「お前にだけは言われたくない」

「俺ならもっと上手く立ち回る自信があるぞ」

「ふたりとも落ち着いて。これ以上長引かせるなら私が話すわよ」


まさか私たちの結婚について、このふたりはずっと知っていたの?

私とどうやって別れるかを相談しているの?
 
そんなに私の存在は彼の重荷になっていたの?

赤ちゃんの件は、この人たちには絶対に話せない。


足がガクガク震えて立っているのがやっとだ。

視界がどんどん歪んで、目頭に溜まっていく涙を必死に押しとどめる。


ここは会社、泣いてはいけない。

しかもこんな、副社長室の前でなんて絶対に泣きたくない。
< 175 / 221 >

この作品をシェア

pagetop