一匹狼と野良猫。
だけどもう、これで、全て終わるのならば、
ここで終わりにしよう。
周りに迷惑がかかる前に。
ここで、全部。
ふぅ、と一呼吸置いて
ゆっくり男を見上げる。
男は愛おしそうに、嬉しそうに顔を赤らめ微笑む。
「やっと、やっとこちらを向いてくれたね。
ねぇ、あの男は誰??」
首を傾げる男。
さようなら、滉牙さん玲花さん。
............ごめんなさい。
私がこの男に対する最後の抵抗。
2人とも、幸せになってね......。
「........ゆいな?」
何も答えない私を不思議そうに見つめる。
もう1度、深呼吸をして男の方を向き、
べェッと舌を出す。