一匹狼と野良猫。


上半身の服を脱ぐ。

婦警と玲花さんは息を飲んだ。



「........古い傷はだんだん目立たなくなりました。

けれど、未だに消えない傷があります。
こんな痣だらけの自分の身体が凄く嫌い。」



両手で身体を包む。

全身に斑に出来た痣や傷。

肌が白い分、気持ち悪さが増して見える。



「気持ち悪い、ですよね。

どの傷が殴られたものなのか、
蹴られたものなのか分かりません。

もう何回殴り蹴られたかも覚えてません。

生きた心地はありませんでした。」



そうポツリと呟くと、玲花さんはこちらに来て

ぎゅうっと抱き締めてくれる。

< 562 / 624 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop