一匹狼と野良猫。
「どっか入りたいとこあった?」
彼の言葉に辺りを見渡し、ふと見に止まった。
そこは雑貨屋さんで、中央に置かれたマグカップが
キラキラと輝いて見える。
「入る?」
滉牙さんは顔を覗き込んできた。
コクっと頷き、マグカップの所へ向かう。
それに描かれているのは、可愛らしいお花
レースのリボンなど淡くも綺麗な色どり。
そして持ち手の上には猫がちょこんと座っている。
「それ欲しいの?」
後ろから滉牙さんの声がして我に返る。