Last note〜特性を持つ者へ
「…そうだな。少し気持ちが先走った。」
そう言って落ち着きを取り戻した難波さんは、
柊木さんの部屋のある2階を見つめながら言った。
「…だが、彼女を疑わない訳にはいかない。
青山くん、もう一度被害者の自宅と事件現場に行こう。」
明るく返事した俺と難波さんは、
再び被害者の自宅にまず戻っていく。
そんな俺らの後ろ姿を、ベランダの窓から柊木さんが心配そうに見つめていた事を俺らは知らない。
ーーーーー
被害者の自宅に戻ると、仕事を終えた鑑識さん達から報告を受け、バトンタッチするかのように俺らは部屋に入った。
「あのマグカップの中身、コーヒーですがハーブ系ではなかったみたいですね。」
少し悔しく呟くと、難波さんは真剣な顔つきで、乱雑に置かれた新聞記事等に改めて目を通した。
「きっと、何かまだあるはずだ…」
俺は小さなシンクのある台所へ行き、
ハーブ系のコーヒーが無いか漁ってみる。
だが、あるのは普通のインスタントパックのコーヒーのみ。
冷蔵庫にも、お茶やヨーグルト等最低限しか入っていなかった。
「…被害者が飲んだものぢゃなかったのか?」
独り言を言いつつも、俺は諦めずに必死に手がかりを探すが、本当に何も無い…。
戻ってきて探りを入れて30分が経った時、
難波さんが俺を呼んだ。
「古い新聞だ。この記事を見てくれ。」
難波さんが広げた新聞記事は
およそ10年も前のものだった。
[資産家柊木家のご令嬢、行方不明]
「このタイミングで関連性がない方が不自然だと思わないか?」
難波さんがニヤリと笑みを零し、
証拠品として保管袋に入れた。
「パズルの欠片…ですね。」
俺たちは顔を見合わせ笑った。
そしてこの記事が本当に柊木日芽と一致するならば、もう1つ、ある新しい手がかりを得た事になる。
「現場に行きましょう!」
俺達は家宅捜査を切り上げ、次に現場に向かった。
そう言って落ち着きを取り戻した難波さんは、
柊木さんの部屋のある2階を見つめながら言った。
「…だが、彼女を疑わない訳にはいかない。
青山くん、もう一度被害者の自宅と事件現場に行こう。」
明るく返事した俺と難波さんは、
再び被害者の自宅にまず戻っていく。
そんな俺らの後ろ姿を、ベランダの窓から柊木さんが心配そうに見つめていた事を俺らは知らない。
ーーーーー
被害者の自宅に戻ると、仕事を終えた鑑識さん達から報告を受け、バトンタッチするかのように俺らは部屋に入った。
「あのマグカップの中身、コーヒーですがハーブ系ではなかったみたいですね。」
少し悔しく呟くと、難波さんは真剣な顔つきで、乱雑に置かれた新聞記事等に改めて目を通した。
「きっと、何かまだあるはずだ…」
俺は小さなシンクのある台所へ行き、
ハーブ系のコーヒーが無いか漁ってみる。
だが、あるのは普通のインスタントパックのコーヒーのみ。
冷蔵庫にも、お茶やヨーグルト等最低限しか入っていなかった。
「…被害者が飲んだものぢゃなかったのか?」
独り言を言いつつも、俺は諦めずに必死に手がかりを探すが、本当に何も無い…。
戻ってきて探りを入れて30分が経った時、
難波さんが俺を呼んだ。
「古い新聞だ。この記事を見てくれ。」
難波さんが広げた新聞記事は
およそ10年も前のものだった。
[資産家柊木家のご令嬢、行方不明]
「このタイミングで関連性がない方が不自然だと思わないか?」
難波さんがニヤリと笑みを零し、
証拠品として保管袋に入れた。
「パズルの欠片…ですね。」
俺たちは顔を見合わせ笑った。
そしてこの記事が本当に柊木日芽と一致するならば、もう1つ、ある新しい手がかりを得た事になる。
「現場に行きましょう!」
俺達は家宅捜査を切り上げ、次に現場に向かった。