Last note〜特性を持つ者へ

新聞記事を見た比嘉特捜部長が話し始めた。

「難波くんから柊木日芽の話を聞いてすぐ、
彼女の仕事先を尋ねて履歴書から身元を調べたよ。
そうするとね、いたんだよ。
彼女には双子の妹が。」

「その双子の妹が、「影」の存在ですか？」

比嘉特捜部長は、こくりと頷いた。

「柊木 憂莉(ﾋｲﾗｷﾞ ﾕﾘ)。
柊木日芽の双子の妹で、15年前に失踪していたんだ。」

比嘉特捜部長は、俺達に捜査をさせている間
1人で動いていたんだ…。
彼の手には、15年前のある新聞記事。
そこには、[資産家柊木家の娘、失踪。]とゆう文字。

被害者の自宅で発見した物と同じようだ。

「柊木日芽さんは、俺が特性持ちだと打ち明けると彼女も話してくれました。
でも、双子の話は一切…。」

いや、ふと呟いた"あの子"とゆうのが、
柊木憂莉の事だったのか…。

「隠したかったのだろうな。
もしかしたら、柊木憂莉を庇ってる
可能性もあるな。」

比嘉特捜部長が、ため息混じりに呟く。

「実際、5丁目の「Leaf」とゆう喫茶店で
フードを被った女性と柊木日芽が一緒に居たのを、店員が目撃しています。」

難波さんが力んで比嘉特捜部長にうったえた。

俺は、柊木日芽が能力を開花させた頃の話を思い出した…。

15年前、恐らく二人共に能力が開花した…。
双子の妹の憂莉は、処分される事を恐れて逃亡したのだろう。

ー♪♪♪♪

その時、比嘉特捜部長のケータイが鳴った。
口調からしてどうやら本部のようだ。
ふたことみこと話してから切ると、俺に言った。

「柊木日芽は、取り調べに対して
青山くん、君を推薦しているらしい。」

俺はすぐにそれを承諾して、本部にすぐ向かった。

「なら俺は、暴行未遂の男の身元を調査してきます。」

難波さんも続いて、事務所を出て行った。