俺のものになってよ
「いったぁ…」
思いっきり転んだせいで、体が痛い。
「ちょっと、大丈夫かよ…」
そんな声が聞こえて顔を上げると、呆れたようなでも心配そうにこっちを見つめる青木くんと目が合った。
「う、うん。大丈…」
「膝、血でてる」
そう言われ膝に視線を移すと、少し血が滲んでいた。
あ、ほんとだ…
ちょっと痛いけど、これくらいなら多分平気だし
「これくらいなら、大丈夫だ…」
「大丈夫じゃないでしょ、行くよ」
手を掴まれ、どこかへ引っ張られる。
「え?どこ行くの?」
「バカなの?保健室に決まってんでしょ」
ば、バカって…
ほんと、口悪い。
でも、怪我心配してくれたり助けてくれたり。そういう所は優しいんだね。
それに、前にもこんなことあったな…
『行くよ』
『行くって、どこに…!?』
『保健室、怪我してんでしょ』
そんな記憶がふと蘇り、それすらも懐かしく感じてしまう…
あたしを掴んでいる手にすっと視線を向ける。
ぎゅっと握られた大きな手にあたしの胸はドキドキと鳴る。
やっぱり、掴まれた手首はあの頃と同じようにじんじんと熱を帯びていた。