お見合い結婚いたします!~旦那様は極上御曹司~
潤希さん、何も言ってくれないのは何故……?
もしかして、思ってたような仕上がりじゃなくてがっかりしてるとか……?
「稜、忙しいのに引き受けてもらって悪かった。ありがとう」
「ああ、お前の頼みなら喜んで受けるよ、またいつでも」
背後でのそんなやり取りを耳にしながら、感じてしまった不安は増大していく。
話を終えた潤希さんがやって来て、「行こうか」と私の肩を抱いた。
「あ、はい。あの、どうもありがとうございました!」
石橋さんを始め、私のために時間を取ってくださった面々に頭を下げてお礼を告げる。
潤希さんも「どうもありがとう」とその場に居合わせた人々にお礼を言い、私の肩を抱いてサロンをあとにした。
外へ出ると、西へと陽が沈みかけ、多くの人が行き交う表参道の道をオレンジ色の光が射していた。
潤希さんはしっかりと肩を抱いたまま、無言で車へと足を進める。
車に乗せてもらうと、潤希さんは「まだ、時間は大丈夫だよね?」とシートベルトを締めながら訊いた。
「あ、はい……」
「じゃあ、連れて行きたいところがあるから、一緒に来てもらえる?」
そう言って、車を発信させた。