犬猿だったはずの同期に甘く誘惑されたら
まだまだ幹事の仕事が残っている美和より先に3人で部屋に向かった。
部屋に着いて、次の観光予定時間までしばしの休憩。
荷物を下ろして、ふぅ〜とひと息ついていると、柳原さんが外の様子を見てハハと少し呆れたように笑った
「見てアレ。着いていきなりだよー?
すごいね〜女の執着心って。
完全にロックオンされてる〜」
柳原さんの隣に行って窓から外の様子を見ていると、まだ荷物を置けずに女性社員に囲まれている浅香が目に入った。
そう。これが現実。
浅香には相手がいっぱいいて、チヤホヤされて。女性に困ることなんてない。
そんな彼にとって私はたまたま配属先が同じで、たまたま席が隣で、たまたま同僚になった女でしかないのだ。
わかった。と最後のメッセージが来た時。
私は自分が思ったよりも酷く落ち込んで、知らない間に涙がこぼれ落ちた。
それでやっと初めて分かった。
私は浅香にとっての自分の価値を過信しすぎてたんだって。
心のどこかで、止めてくれるんじゃないかって思ってた。
話し合おう。って。
忘れるとかできないから。って。
それに、あのやり取りのあとも、会社で普通に今まで通り話しかけてくれるんじゃないかって思ってた。
浅香にとって、私はいい仕事仲間だと勝手に思い込んで。