犬猿だったはずの同期に甘く誘惑されたら
そうこうしていると、割と時間は経ったようで、もう特にお酌をするほどの上司もいなくなった。
相変わらず女子たちに囲まれている浅香を見ながら今日もあの中から相手を選ぶのか...
となんかすごく悲しくなってきて、外の空気を吸いたくなった。
美和たちに一声かけて外に出ると、1月の寒い風邪が頬に当たった。
外は綺麗な庭園が広がっていてオレンジのライトで綺麗に照らされている。
少し進むと、湯畑を囲ってキラキラとしている街が見渡せる穴場スポット的なところにたどり着いた。
今いる自分の位置が暗いおかげでライトアップされた街がかなりクリアに見える。
素敵なだな〜と思っていると、想像以上に冷たい風が吹いてきた。
あー上着着てこればよかった。
なんて思ってももうめんどくさいしな…
部屋に上着を取りに帰るくらいならもうそのまま寝た方が余計なこと考えなくて済むかもしれない。
でも、こんなに素敵な景色を独り占めしているのに、もったいないし、もう少しだけ夜風に当たったら部屋に戻ろう。美和たちにもメッセージ送っておけばいいや。
そう思って冬の空に浮かぶ綺麗な月と星を見ながら街を見おろていると、
「おい。」
と声をかけられた。