犬猿だったはずの同期に甘く誘惑されたら
さっきまで強気でいられたのに。
彼と視線を交わらせるだけで、もう何も言えなくなる。
そんな私の気持ちの変化を悟ったのか、浅香も余裕そうな瞳から少し熱を持った瞳に変わった気がした。
あー。この流れはダメなやつだ。
今までも散々これで私は流されてきてるんだから。
そう思っても全然目を逸らせない私はやっぱり心底浅香のことが、好きなんだろう。
浅香への気持ちがどんどんと溢れてくる。
そんな私の気持ちも全て見通されるんじゃないかってくらい鋭い瞳で私のことをずっと見つめていた浅香がようやく口を開いた。
「夢だと思って忘れてって?
お前は忘れたの?あの日のこと。」
少し切なそうに浅香は私にそう聞いた。
忘れたも何も、最初から私には記憶が無いのに。忘れられていることに対してすごく悲しそうな目をする浅香になんでそんな目をするの?と聞きたくなる。
でもそんな私を理解してなのか、しっかり捕えられた瞳に制されているように口が動かない。
私が浅香の瞳に魅せられていると彼は切なそうに言い放った。
「俺は無理だ。
忘れられるわけねぇーだろ。バカ守屋」