彼の溺愛はわかりづらい。


「…なんでもない。この人は世永くん。お兄ちゃんの友達」

「…ってことはもしかして、羽澄とも知り合いだったりすんのか…?」

「そこまでは知らない」



世永くん本人に聞いてください。

そう思って世永くんの方を見てみる。



「羽澄?羽澄の知り合いなの?」



…どうやら知り合いらしい。初耳。
今まで三人揃ってるところなんて、見たことなかったからなぁ…。



「従兄弟らしいよ」

「…海堂燈です。…話自体は羽澄から聞いたことあります」

「…琴、DNAって恐ろしいね」

「ほんとにね」



あまりにも似ているものだから、きっと世永くんもびっくりしたんだと思う。

…双子みたい…とかそういうのじゃないけど、雰囲気がそっくり。
…でも、お兄ちゃんはそんなにびっくりした様子は見せなかったけど。鈍いのか。



「…あー、そーいえば最近、羽澄にも会ってねーな」

「…呼びましょうか?」



おい海堂ちょっと待て。
さりげなく言ってくれるけど、ここ人ん家だからな。まぁ別にいいけど。




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