彼の溺愛はわかりづらい。
「海堂くん、聞きたまえ」
「いや、何キャラだよ」
「気にしない気にしない」
いちいち、そんなとこ気にしてたらハゲるよ、海堂。
いや、むしろ気にしてハゲろ。大爆笑してやる。
「…じゃあ、そこはスルーしとくとして、何?」
「なら教えてやる!はーちゃん先生との繋がりは、うちのお兄ちゃんがはーちゃん先生の親友だということだ」
「え、マジで?」
「うん、マジ」
海堂のヤローが目ぇ丸くしてる。
…面白い顔。その顔見たら、ヤツのファン(どこがいいのかわからんが)たちは確実に減るだろう。そのくらい間抜けだ。
つーかファンとか。
つーかファンとか。(2回目)
つーかファンとか。(3回目)
…クソ生意気すぎんだろ!海堂のくせに!
…とまぁ、ヤツが目ぇ丸くしてる…要するに無防備なところだけど、私は一人想像が飛躍して、ヤツへのイライラメーターがどんどんどんどん上がっていった。
「…でも言い方が毎度毎度ムカつくなこの野郎」
「ほほー。同じセリフを返してやるわボケカス」
なんで本当に、毎回私に突っかかってくるんだろう。