秘匿されし聖女が、邪に牙を剥ける時〜神殿を追放された聖女は、乙女ゲームの横行を許さない
ファビオと公爵様の話は、まだ続いていた。
そもそも、こんな話を始めるだなんて……ファビオはただの庭師見習いではないの?
この点でも、謎は深まる。
「……ここ、公爵領でのミッションも達成。しかし、件の侯爵令嬢にラヴィの存在が認識されてしまった。これはもう、ラヴィを再び王都に連れ戻し、警護を強化しなくてはならない」
「ラヴィを王都にっ……それは!」
「それに……時は刻一刻と近づいている。ラヴィも、これまでの出来事、自分の事を知る必要があるし、ね」
その時、公爵様の肩越しにファビオと目が合った。
強い視線は、私に訴えかけているかのよう。
話の内容がまだ理解できないままではあるが、何を言いたいかは……なんとなくわかってしまった。
(私が、知る必要があること……?)
「し、しかし……」
私を背に庇ったままの公爵様は、何かを迷っているかのようだ。後ろにいる私を一瞥する。
その様子を見て、公爵様を呼んだのは……夫人のサルビア様だ。
「……あなた」
サルビア様は、首を横に振る。