秘匿されし聖女が、邪に牙を剥ける時〜神殿を追放された聖女は、乙女ゲームの横行を許さない
「ファビオの言う通りよ、あなた。件の侯爵令嬢も一連の出来事をしっかりと見ていたし、彼女も自分の邪魔をしているのはラヴィだと気付いたに違いない。……と、なると、私たちだけでラヴィを守り切る事は出来ないわ?」
「……」
「それに……ラヴィのこの力が、これからまた王都でも必要になるかもしれない。ここで私たちが必要としていたように」
「ぬぬぬ……!」
妻のサルビア様に諭される公爵様。何かを堪えてるような面持ちだ。まるでお手洗いを我慢しているような。
「あなた、ラヴィを公爵領から出したくないのは私も同じです。ですが、今は国家を揺るがした者らを追い詰めるべき時。私たちの思いを主張している場合じゃありませんよ」
「わーってる!わかってるよ……」
公爵様はがっくりと項垂れている。
「ったく。ここは一臣下として、譲歩しようじゃねえか。……ラヴィ、話がある」
「話……ですか」
とうとう私のところに話を持ってきたようだ。
今一度、姿勢を正して公爵様を見る。
「……率直に言おう。そこにいるファビオの案内で、王都へ戻るんだ」