秘匿されし聖女が、邪に牙を剥ける時〜神殿を追放された聖女は、乙女ゲームの横行を許さない
「ラヴィ、おまえが一番最初に【魅了】を解いた相手は、あの王太子殿下だ。殿下が正気に戻った一部始終を見て、殿下に【魅了】が掛けられていたと判断したのは……現王太子妃、アゼリア様」
「あ、アゼリア様が?……アゼリア様は、王太子様らが【魅了】に掛けられていたことをご存知だったのですか?」
「大の男らが一人の令嬢に寄って集って執着し、侍ってんだ。一人の令嬢のためにする必要のない断罪をし、奇行に走る。そんな異様な光景、【魅了】じゃねえかと真っ先に疑うもんだろ」
「は、はぁ、そうですか……」
「その線で調べていた最中、ラヴィとの接触を経て、殿下が急に正気に戻った。……これはもう、おまえが【魅了】を解く力を持っていると推測するもんだ。そして、王太子妃殿下は一抹の望みを賭けて、その推論を実証するべく、おまえと他の【魅了】に掛けられたと思われる令息らを次々と面会させた。で、推論が確信へと変わったわけだ」
「……」
公爵様の語る事実が、信じられない。
単に気になって気になって、てんとう虫を追い払っただけなのに、まさか【邪気】を使われた禁忌の術を解呪していたなんて……。