秘匿されし聖女が、邪に牙を剥ける時〜神殿を追放された聖女は、乙女ゲームの横行を許さない

今、この馬車を動かしているポンセさんもその隣に座っているマクラさんも、執事のバモスさんも……公爵邸で優しくしてくれた皆さん、ほとんど暗部の方?!

なんということでしょう。全然わからなかった。

ただ、ただ驚愕でしかない。言葉がない。

と、なると。この王都に向かう御一行は、私以外は全員暗部所属の者である。暗部御一行だ。とんでもない事態だ。

あわわと狼狽えてしまう。



「……で?ラヴィは何者?」

「へ?」



突然、何なのか。私にその話、振ってくる?何ですか、その流れ。おまえはいったい何者だ!なんて?

ファビオはニヤニヤの表情そのまま私に向けていた。

今までの経過からすると、知ってるはずなのに。なんとも性格が悪い。

……私?何もないよ!そんな暗部とか大それた正体など……。




「私は……七年、聖女見習いとして王都の神殿にいました。……冤罪をかけられ神殿を追い出されてしまい、亡き両親の友人であるルビネスタ公爵様の元にやってきたんですけど」



なんだかんだ言いながらも、つられて暴露してしまいましたが。

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