秘匿されし聖女が、邪に牙を剥ける時〜神殿を追放された聖女は、乙女ゲームの横行を許さない

「ラヴィ様、漸くお目覚めですか。これで一安心ですね」

「ご、ご心配おかけしました……」

表情を崩さないいつものミモザさんと思いきや。笑顔を見れたのがちょっと嬉しかった。



「……そうでした。ファビオ、大聖女様がこちらに戻られました。貴方を呼んでくるよう申し付けられたのですが」

「おぉ!戻ってきた!ユリ様とはこれからデートの予定なんだよねー?」

「えっ!」

大聖女様と……デートっ?!

まさか、ファビオと大聖女様はそのようなご関係?!親子以上に歳が離れているのに?!

ファビオは熟女趣味……!



まさかの事実に脳内混乱しかけていると、アルフォード様がこそっと耳打ちしてくる。

「ラヴィが考えているような関係ではないと思うけど」

「あ、そうですか……」

なんだ。



「じゃあ、ラヴィよ。も少しゆっくり休めよ?では!」

そう言って、ファビオは手を振りながらミモザさんの元へと駆け寄る。

「ラヴィ様、このトンチキヤローを大聖女様の元にお送りしてからまた来ますので、少々お待ち下さいませ」

「はぁ……」

「わははは!相変わらずヒドイなー?ミモザ」

「……それと、公子様」
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