秘匿されし聖女が、邪に牙を剥ける時〜神殿を追放された聖女は、乙女ゲームの横行を許さない
「お、おまえがラヴィを連れてく?……え?何で?」
物珍しそうに、目玉を上下に動かして公子様の全身を舐め回すように見る公爵様だが、そんな公子様はニッコリと微笑んだままだ。
「父上が何の気掛かりもなく仕事に臨んで頂けるのなら、このぐらい協力致しましょう」
「いやいやいや。息子にそんな心配してもらわなくても。おまえにも執務があるだろ?」
「いえいえ心配しかないですよ、父上。この領地経営を手伝い始めてから、父上は俺に執務を押し付けて遊んで……こほん、お出掛けが多いようで?ちなみに、本日の自分の執務は書類整理だけですので、昼過ぎからでも遅くありません」
「へー。昼過ぎからでいいの。じゃ、俺の代わりに老夫婦と打ち合わせする?」
「致しません。それは、公爵である父上の仕事でしょう」
「またまた。将来は俺の後継いでおまえが公爵様になるんだからー。経験、積もうか?」
「……致しません!」
……そんなこんなで。公爵様はごねごねしながらも、サルビア様と家令のバモス様に両脇抱えられ、お屋敷の中へと引き摺られて行った。