イジワル御曹司と契約妻のかりそめ新婚生活
『あの、失礼ですが、そういうことでしたら、佐々木さんはお相手には困らないでしょう? わざわざ私みたいなのと結婚を決めなくても……』
『結婚相手は仕事の邪魔にならない相手がいい』
『はあ……邪魔、とは』
『自立していて欲しいんだ。だから君の名前が挙げられたときに、納得した。少なくとも記念日だ誕生日だなんだと面倒なことは言わなさそうだし、配偶者に依存もしないだろう』
今、しれっとした顔で結構な暴言を吐きましたよこの人。
私だって、万一彼氏なんてものがいたら誕生日くらいはちゃんと祝いたいかもしれないし甘えたいと思うかもしれないじゃないか!
唖然、として目の前の男を凝視する。別に文句を言うつもりもない。考え方は人それぞれだ。恋愛感情が欠片もない、と言うことに関しては、現状当たり前だし期待もしてない。お見合いで結婚を決める場合はそういうものだろう。
けれど、それ以上に何か女性と一線を置いているようなものを感じた。もしかすると、過去に嫌な思いでもしたのかもしれない。
考え込んでいると、不意打ちで彼の目が真直ぐに私を射止めた。とくん、と心臓が止まったような気がした。イケメン怖い。
『俺は、他の誰でもなく君だから考えてみたいと思っている』