イジワル御曹司と契約妻のかりそめ新婚生活
「予定?」
つまり、その予定が、狂ったってこと?
それが婚約者に関係することなんだろうか。
首を傾げて話の続きを待つ私の髪を、頬にあった手がするりと撫でて耳にかける。
よほど私は心もとない表情でもしているのだろうか。まるで、慰めるような優しい仕草だ。
「急にこんなことを言い出したってことは、歩実の方に何か言って来たんじゃないのか?」
「親戚の人、じゃないけど」
「うん?」
「……常盤かすみさんが、会社に来た」
私の言葉に、ぴくっと頬に触れる指が反応する。
郁人の瞳を、恐る恐る内心を探るように覗き込んでしてしまう。