イジワル御曹司と契約妻のかりそめ新婚生活
「もう、これで秘密はない」
「うん……でも」
しかし、明らかになったその秘密が、大きすぎる。
「その、従弟が見つかったら万事解決ってこと?」
「いや、もう、そう簡単にはいかないかもしれないな」
「じゃあやっぱり、郁人が継ぐ可能性もある?」
「そうなっても、常盤家との婚姻のために歩実と離婚なんてしない。手は打ってあるから心配するな」
郁人の声はきっぱりと、自信にあふれたものだった。
いつもの仕事の時と同じで、それが逆にほっと安心できた。
郁人が大丈夫だといって、進めた仕事が失敗だったことはない。
ようやく郁人の腕の中で、安堵の息を吐き出した。
「わかった。信じるし、何か私にできることがあったら言って」
「ああ」
「契約内容も変更ってことで。これからは、お互いのことで秘密はなしね」
やっと少し明るい声を出せた私に、ふっと郁人が笑ったように息を吐き出した。
「もちろん、歩実も」
「わかってる」
「もうひとつの変更内容も覚えてるよな?」