イジワル御曹司と契約妻のかりそめ新婚生活
それに、全く別行動ばかりというわけでもない。この前の日曜日は、私がちょうど図書館に出かけようとしていた時に、彼が書斎から出てきて、気分転換にと一緒についてきた。
『ひとりの方が良ければ、散歩だけする』
『いえ、そんなことはないけど……』
図書館なんて郁人には退屈じゃないのだろうかと思ったから、ちょっと驚いただけで。案外、私が本を選んで読んでいる間、彼も好きな本を物色してそれなりに楽しんでいたようだった。
帰りは、一緒に初日の時に行こうと誘われていた定食屋に入って夕食にした。彼が美味しいと言っていたとおり、煮物とお味噌汁の味が絶品だった。
そんな感じで、新婚生活は驚くほどに順調で快適だった。しかし、職場の空気は少々問題を感じていた。郁人は、社内でじっとしていることも少ないから気づいていないのかもしれないが。