イジワル御曹司と契約妻のかりそめ新婚生活


 アツアツのお好み焼きは、ほんっとうに美味しかった。


「癖になりそう、しばらく……」


 お好み焼き屋を出て、のんびりと駅まで歩いている。ほくほくでお腹が温かくて、ビールも少し飲んだので頬も熱い。満腹のお腹を手で抑えながらそういうと、郁人がまた笑った。
 最初の頃より、少しずつ頻度が増している気がする。


「安上がりなやつだな」
「安くて美味しいなら最高でしょう? スーパーでお好み焼きの粉とか売ってるよね、家でも作ってみようかな……けどぼっちでお好み焼きは寂しいな」
「休みの日にすればいいだろう」


 食事も各自、という決まりだが、お好み焼きならふたりでする方が良いに決まっている。当然のように一緒に食べようという意味合いで答えてくれた。


 最初はもっと、味気ない結婚生活になるのかと思っていた。こんな風に一緒にお好み焼きをしようなんていう間柄になるとは予想外だ。

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