イジワル御曹司と契約妻のかりそめ新婚生活
河内さんは照れ隠しなのか、唇を尖らせながら私にまた頭を下げ「ありがとうございます」と言った。
「いや!そんな、何も」
慌てて手を降って、彼女に頭を上げさせる。
その間も、じわじわと身体が熱く火照ってくる。
まさか、そんなフォローの入れ方をしてくれてたとは思わなくて。私を庇うような言い方をしてくれてたなんて、思わなくて。
「おふたりって、お見合い結婚ですよねえ?」
「あ、うん。そう……」
「なんか、結構上手くいくもんなんですね。佐々木さん、歩実さんにかなりぞっこんじゃないですか?」
「えええ?」