俺だけ見てろよ～御曹司といきなり新婚生活!?～

もちろん小学生の知恵なので、鉛筆に粘土をくっつけて握りやすくするだけのような実に大雑把なアイデアではあったけど、まどかちゃんが大喜びしていたのを覚えていて、人を笑顔にできる商品を作りたいなとずっと思っている。
　
だから、役に立てたんだと知り、かなりうれしい。


「もっとたくさん扱えるように努力します。商品は明日届くように手配しますね」
「あっ、待って。他にも注文が……」
　

それからいくつか注文を受け、店を出た。
　
そもそも、あのボールペンの輸入が叶ったのは渡会さんのおかげ。
　
初めは海外との取引を担当している第四営業部に掛け合ったけれど、利益がないと却下された。

それで海外のメーカーと直接メールのやり取りをしてみたものの、個人輸入なら手配するが、企業相手ならきちんと契約書を交わしてほしいとの答えが来て、部長からも反対されて頓挫。

それでもあきらめきれず、英語でのやり取りが難しいおばあさんの代わりに私が個人で輸入しようかと思い悩んでいたときに渡会さんに助言してもらい、三谷商事の生活雑貨の取引に紛れこませて輸入することができた。