というわけで、結婚してください!
 


 一緒に二階に上がった尊は、鈴が机から取り出した淡いピンクの手帳を見て言った。

「ほほう。
 これが書くと願いが叶うとかいう手帳か」

 なにか怪しい魔法のランプみたいに言われてますが。

 ただ願望を書き連ねているだけの手帳ですよ、と思いながら、鈴はぺらぺらとその手帳をめくって見せる。

 別に人に見られてまずいようなことも書いてないからだ。

 だが、それを見ていた尊は、
「……お前。
 何処の店でなに食べたいとかばっかりじゃないか」
と呆れる。

 いや、だから、それ、ただの妄想日記ですからね、と思ったとき、いきなり、尊がページの途中にバシッと手を突っ込み、鈴がめくるのを止めてきた。

「なんだ今のは」
と言う。

 へ?
 なんか書いてましたっけ?
と思う鈴の手から、尊は手帳を取り、叫び出す。
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