というわけで、結婚してください!

 


 数志と別れた尊はすぐ近くのビジネスホテルに戻った。

 あの城のようなホテルとは比べものにもならないが、鈴は真新しいホテルだというので、喜んでいた。

 尊は鈴の部屋のドアを叩く。

 すると中から鈴の声がした。

「支倉」

「……ぽす」
と返すと、部屋のドアが開く。

 尊は、
「お前、この合言葉、バレバレじゃないか?
 っていうか、ドア叩いてきた人間に、支倉です、と名乗ってどうする」
と文句を言いながら、買ってきたコンビニ弁当を鈴に渡した。

「なんか女性向け雑誌とタイアップしてるとかいう、雑穀米とか入った弁当買ってきたが、よかったか」

「あ、ありがとうございますっ」
と鈴は嬉しそうにそれを受け取った。

 ……可愛い。

 部屋、別にしておいてよかった……と尊は思っていた。
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