というわけで、結婚してください!
 そんな尊の想いには気づかぬように、鈴はまだ新しいホテルにはしゃいでいる。

「そうだ。
 見てください、尊さんっ!

 ビジネスホテルのシングルルームなのに、此処、ベッドがとても広いんですっ」
と鈴はベッドに腰掛け、ぽんぽん叩いて見せる。

「それに、ほら、まだ新しいから、お風呂もトイレもピカピカですよー」
と言って、今度は、ユニットバスの扉を開いていた。

 ……いや、お前は俺をどうしたいんだ、と尊は思っていた。

 なぜ、俺に、ベッドを見せ、風呂を見せてくる。

 ……誘ってるのか?

 違うよな……。

 鈴だからな。

 もはや、ぽすだからな、というのと変わらぬ感じだった。

 ……部屋、別に取っておいてよかった。

 本当に……。
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