というわけで、結婚してください!
 数志が、
「尊様、どうせ、あと三分しかありません。
 三分、鈴様と征様だけで話をさせてあげてください」
と頼んでくる。

「嫌だ」

「三分ですよ、三分っ。
 貴方なんて、三日、鈴様を連れ回したのに、キスすらできてないじゃないですかっ。

 征様が、三分で、なにができるって言うんですっ!?

 それくらい見逃してあげてくださいっ」

「なに決めつけてんだ、お前っ!
 キスすらできてないとかーっ」

「だって、尊様ですから」
と二人が揉め始めたその隙に、あっさり征は鈴の側に来た。

 これは数志の策略だったのだろうか、と鈴は思う。

 しかし、まんまとはまる人だな、と尊を見ながら、状況的にどうしたらいいのかよくわからず、とりあえず、
「すみません」
と征に頭を下げてみた。
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