というわけで、結婚してください!
 数志に急かされたからとかじゃなく、今……と立ち上がりかけたが、思いとどまる。

 一度、目を閉じ、鈴に呼びかけた。

「鈴、明日、九州に行こう」

「え」

「約束だからな。
 行こう、鈴」

「……はい」
と何故か迷いながら言う鈴に、

「じゃあ、もう寝ろ。
 明日は朝早く、出発するから。

 数志が出る前に捕まえて、文句を言ってやる」
と言うと、事情は知らないのだろうに、鈴は笑った。

「……おやすみ」

 一瞬、口にしかけてやめた尊は鈴の額に軽く口づけた。

 そのまま、隣のベッドに入り、目を閉じる。





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