というわけで、結婚してください!
「……なんでだろうな?
 俺にもよくわからない。

 ただ、お前に跡継ぎの座を奪われたとき、正直、ちょっと、ホッとしてた。

 生まれたときから、ずっしり肩にのしかかっていたものが消えて、フッと楽になったというか。

 まあ、プロジェクトから外されたのは、ショックだったが」

 そう尊が言うと、
「まあ、あれは失敗だったな」
と目を閉じた征が言う。

「頑張ってたお前を外したことで、俺の評判が著《いちじる》しく下がってしまった。

 お前の上司に早速、嫌味を言われたよ」

 それを聞いて、尊は少し嬉しそうだった。

 自分がやってきたことが認められた気がしたのだろう。
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