というわけで、結婚してください!
「でもまあ、めんどくさいことは全部お前が引き受けてくれたんだと思って、心機一転、博多で頑張ろう、と気持ちを切り替えようとしてたとき、見たんだ。

 ホテルの庭園を歩いていたお前たちを――」

 そう尊は語る。

「俺は、お前はお前で、強引に俺の上に出たことで、大変そうだな、と思ってた。

 それも本人がそうしたくて、したのならともかく。
 正直、お前、母親のあやつり人形っぽかったから」

 征は眉をひそめていたが、どうやら、図星のようだった。

「俺たちはいつも母親の闘争の道具に使われてるな。

 俺は、母親がなんか言ってきても、あまり乗ってやらないんだが。

 お前はきっと、俺よりいい奴なんだろうな」
と尊は言う。
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