というわけで、結婚してください!
結局、ディナーはテラスに運んでもらった。
夕日に輝く湖を眺めながら、ゆったり食事をする。
しかし、鈴は、いいのかなあ、と思っていた。
こんなことしてて、いいのかなあ。
おそらく、尊もそう思っているだろうが、お互い顔には出さなかった。
ふいに尊と目が合ったので、鈴は照れたように視線を落とす。
「ちょっと酔っちゃいました」
ワイングラスを置きながら、今、照れてしまったことを誤魔化すように、笑ってそう言うと、尊は鈴を見て、言ってくる。
「……普通なら、その一言は誘ってるんだろうが。
お前の場合、違うんだろうな」
「はい」
本当に、ちょっと、酔ったのだ。