というわけで、結婚してください!
「まあ、確かにたいした抵抗はしなかったが」
と言われ、
「いえ、何度も撲殺はしようとは試みたんですが」
と言うと、
「……待て。
俺は結局、お前に殺されなきゃいけないようなことはしてないよな?」
と尊に確認するように問われる。
いえいえ、主に、言葉の暴力でですよ、と鈴は思っていた。
さらわれた挙句に、たいした女じゃないとか語られると、軽く撲殺したくなりますよね~と思う。
「ま、お前の父親、外見に反して、意外に強引だと聞いてるからな。
お前がこの政略結婚を断ろうとしても、上手くはいかなかっただろうよ」
とまとめてくれる尊に、鈴は言った。
「昔、ぽすを拾ったばかりの頃、マヌケ面《づら》が可愛いって、どうしても、ぽすが欲しいって人が居たんですよ。
でも、もう情が移っていたお父さんは、いや、ぽすは渡さんって頑張ったんです。
なのに、何故、娘は簡単に、見知らぬ男に引き渡してしまうんでしょうね?」
「ぽすの一生は面倒見られるが、娘の一生は面倒見きれないからだろ?
誰かに手渡して安心したかったんだよ」
と言われ、
「いえ、何度も撲殺はしようとは試みたんですが」
と言うと、
「……待て。
俺は結局、お前に殺されなきゃいけないようなことはしてないよな?」
と尊に確認するように問われる。
いえいえ、主に、言葉の暴力でですよ、と鈴は思っていた。
さらわれた挙句に、たいした女じゃないとか語られると、軽く撲殺したくなりますよね~と思う。
「ま、お前の父親、外見に反して、意外に強引だと聞いてるからな。
お前がこの政略結婚を断ろうとしても、上手くはいかなかっただろうよ」
とまとめてくれる尊に、鈴は言った。
「昔、ぽすを拾ったばかりの頃、マヌケ面《づら》が可愛いって、どうしても、ぽすが欲しいって人が居たんですよ。
でも、もう情が移っていたお父さんは、いや、ぽすは渡さんって頑張ったんです。
なのに、何故、娘は簡単に、見知らぬ男に引き渡してしまうんでしょうね?」
「ぽすの一生は面倒見られるが、娘の一生は面倒見きれないからだろ?
誰かに手渡して安心したかったんだよ」