というわけで、結婚してください!
「ああ、尊様に関しては、放っとけって感じでしたねー」

「それはそれで寂しいものがありますね~……」
と鈴は苦笑いする。

「俺たちが此処に居ること、もう征には報告したのか?」

「いや、まだです。
 今、見つけたばっかりなんで」

「こういうときは、まず先に報告しなきゃ駄目だろうが。
 俺たちに逃げられても、他の連中がすぐ動けるように」
と叱り始める尊に、

 貴方、一体、誰の味方なんですか……、と突っ込みたくなる。

「これ食べたら言いますよ」

 どっしりとしたクロワッサンを食べながら数志はそう言ってきた。

「……言うのか」

「貴方が今、言えと言ったんですよね~っ」

「一般論だ。
 仕事中はそう動けと言っただけだ。

 今、報告するな。
 俺のクロワッサンやったろう」

「俺も昔、尊さんに、駄菓子のゼリーあげましたよ」
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