というわけで、結婚してください!
何十年前の話だっ、と尊はキレる。
「やれっ、鈴っ。
お前、撲殺得意だろうがっ」
と言われ、鈴は、えーと、と周囲を見回し、水の入っていた濃いブルーの綺麗なボトルを、よいしょ、とつかんだ。
だが、その瞬間、鈴は数志に腕をひねりあげられていた。
「いたたたた……」
「駄目ですよ、尊さん。
この人、簡単に殺《や》れますよ」
「殺るなよ、征の花嫁なんだろうが……」
尊は、そう呆れたように数志に言っていた。