絶対俺の嫁にするから~御曹司のイジワルな溺愛包囲網~
とにかく急いで玄関へ向かい、ドアを開けると満面の笑みを浮かべて上杉さんが「ただいま、麻衣子」と言う。

「おかえりなさい」

咄嗟に言うと、彼はますます嬉しそうに笑う。

「いいね、このやり取りがしたかったんだ」

「え?」

そのまま彼はズンズン家の中に入ってきて、私は後退りする。そのまま家の中に上がると、上杉さんはネクタイを緩めながら私に言う。

「麻衣子、次のお決まり文句を言ってよ?」

「はい?」

「ほら、よく新婚家庭がやっているやり取りだよ。ご飯にするか、お風呂にするか……」

そこまで言われれば、彼が次になにを言いたいのか理解できる。

きっとアレですよね? 口にしたら絶対恥ずかしいやつですよね? そんなの言えないから!

「それとも……」

「ご飯にしましょう! ちょうど準備が終わったところなので!!」

声を被せて言い、くるりと回れ右をしてキッチンへと急ぐ。

「もうご飯とお味噌汁もよそっちゃいますからね! 早く来てください」

逃げるようにキッチンへ駆け込みながら言うと、上杉さんは笑いをこらえながら「残念、わかったよ」と言う。

あぁ、もうまたからかわれたんだ。
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