イケメンエリート、はじめての純愛⁇
「普通は何もしません… たぶん…
それに、その事については、映司さんとお二人で祝ってください。
お二人にとっては大切な事なので」
咲子は圭子の存在を本当に有難く思った。
自分が何も知らな過ぎる事に問題があるのだけれど、でも、こんな風に優しく丁寧に教えてくれる女性が近くにいてくれた事に感謝するしかない。
「でも、咲子様…
お家の方は大丈夫なんですか?」
咲子はまた現実に引き戻される。
「大丈夫ではないのですが…
映司さんに任せています。
私がしゃしゃり出ると、問題が今以上にややこしくなってしまうので」
圭子は何度も頷いた。
その方が絶対にいいと、暗黙の中、咲子に伝わるように。
咲子はまた自分の席に戻ると、壁に掛けてある時計を見る。
早くあのホテルのお部屋へ帰りたい。
映司との出会いは、こんな風に自分の一生を変えてしまうターニングポイントだった。
そして、その出会いを、きっと私達が引き寄せた。
だって、出会ってまだほんのわずかなのに、もうお互いがお互いなしでは生きられなくなっている。
それだけ強い磁石によって、私達はやっと出会えた。
だから、どんな困難があっても、私達は別れたりしない。
お父様になんか絶対に負けないから。