恋愛零度。

『すごいな。マロンがぼく以外に懐くの初めて見たよ。真白ちゃん、動物と仲良くなる天才かもな』

『そ、そうかも』

私は褒められたのが嬉しくて、笑ったけれど、それは違うと思った。

自分と似てたから。

人見知りで、学校に馴染めなくて、優しく声をかけられたりしても、どう接すればいいのかわからなくて、突き放してしまう。

私も、学校でいつもひとりぼっちだったから、なんとなく、わかったんだ。

ほんとうは仲良くなりたいんだって、言いたいのに伝わらない、その苦しさを知っていたから。

『でも、危ないからもうこんなことしちゃダメだよ』

『う……はい』

結局、手当をするためにすぐに帰ることになったのだけれど。

それ以来、そこが私たちの遊び場になった。



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