恋愛零度。
私が3年生になって、奏多とお姉ちゃんが5年生になった。
だんだん3人で遊ぶことが減っていったけど、ここに集まれば、変わらずに3人で笑ってた。
そのころ、近くの川で子どもが溺れる事件があって、子どもだけで川原で遊ばないようにと学校で言われた。
『でもしょうがないよな。マロンがここしか嫌だっていうんだから』
『だよねえー』
だけど……
『あたしはパス。勉強したいし、死にたくないし』
お姉ちゃんはそう冷たく言って、それきり、川原には近づかなくなった。
『お姉ちゃん、なんであんなこと言うの?あんな浅い場所で溺れたりしないよ』
私が文句を言うと、お姉ちゃんは呆れたように言った。
『わかんないの?もうあんなところで遊ぶ年じゃないの。男の子と遊んでるとこ、誰かに見られるの嫌だし』
『奏多は男の子じゃないよ。奏多は奏多だよ!』
『なに言ってんのあんた。本田くんはどう見たって男でしょ』
そのとき、お姉ちゃんは初めて、奏多のことを本田くんと呼んだ。
私は納得いかなかった。
小さいころからずっと一緒だった。
男とか女とか、関係ない。
奏多は、とくべつなんだから。
私のたったひとりの大切なの友達なんだから。